イギリスを訪問している中国の王毅外相はラミー外相と戦略対話を開催し、エネルギーや環境分野での協力を深めることで合意しました。

中国外務省の発表によりますと、中国の王毅外相とイギリスのラミー外相は13日、ロンドンで戦略対話を行い、王毅外相は「両国間のさまざまな分野での交流や対話が次々と再開され、協力の成果が徐々に現れている」と強調しました。

また、アメリカのトランプ政権を念頭に「中国とイギリスは安全保障理事会の常任理事国としての責任を示し、多国間主義を実践し、自由貿易を支持し、共に世界の平和と安定を促進すべきだ」と訴えました。

一方、ラミー外相も「イギリスと中国は金融や経済などの分野の対話と協力で前向きな進展を遂げている」と評価し、「ハイレベルな交流を強化して建設的な対話と実務的な協力を実施していく」という考えを示しました。

また、王毅外相はウクライナ戦争に関して「いかなる当事者も戦場を拡大せず、戦争をエスカレートさせず、火に油を注がないよう求めてきた」と述べ、ウクライナへの支援を続けてきたヨーロッパ諸国をけん制しました。

戦略対話ではイギリスのエネルギーや科学技術、教育を担当する大臣が中国を訪問することや、金融やクリーンエネルギー、人工知能の分野で協力を強化することなどで合意したということです。

これに先立ち王毅外相はスターマー首相と面会し、「インフラや貿易、投資などの分野で協力を拡大し、両国の国民に、より大きな利益をもたらしたい」という考えを表明、スターマー首相は「中国との協力は前向きな進展を遂げており、英中関係の継続的かつ安定した発展を期待している」と述べて、今後の中国との関係強化に意欲を示しました。

イギリスでは去年7月にスターマー政権が発足して以降、中国の習近平国家主席と6年ぶりに首脳会談を行うなど、中国との関係改善が進められています。