10月は、デジタル化推進のために国が定めた「デジタル月間」です。そのデジタル用語の一つとして最近よく耳にするのが「メタバース」です。
「メタバース」とはインターネットに作られた仮想空間のことです。利用者は「アバター」と呼ばれる自分の分身を作って参加し、互いにコミュニケーションを楽しむだけでなく、新たな事業や市場の創出を目指す企業も参加するなど、ビジネス分野でも注目されています。
この「メタバース」を活用して新たな取り組みをしようと、種子島の高校生が挑戦しました。
教室で1人1台ずつ、タブレットに向き合う中学生たち。画面上を歩いて回るのは、懐かしさを感じるドット絵のキャラクター。まるでゲームで遊んでいるように見えますが、よく見ると黒板や机が並べられた教室のような空間には数学や英語の文字。そして、画面の向こうには高校生の姿が・・。
中学生たちが行っていたのは、メタバースを使った地元・種子島中央高校の体験入学です。南種子中学校の1年生と2年生の生徒11人は思い思いの自分の分身=アバターを作って、メタバース空間に再現された種子島中央高校の校舎で、部活動や科目ごとに分かれた教室などを探検。体験入学ではMBCのバーチャルタレントみなみちゃんが案内役になり、中学生たちはオンラインで高校生や教師と部活動や進路の相談をするなど、交流を深めました。
(参加した南種子中学校の生徒)
「ゲーム内で体験入学している感じでとても面白かった」
「メタバースを普段できないから、初めてやって楽しかった。メタバースのほうが話しやすかった」
「コロナ禍で高校の体験入学をする機会がなかったが、1年生で高校の体験できてよかった」
この「メタバース体験入学」を製作したのは、中種子町の種子島中央高校情報処理科の3年生です。生徒たちはバーチャルオフィスなどで活用されていたアメリカの企業のサービスを応用し、日頃から授業を受ける各教室や校舎の様子をメタバースで再現しました。製作期間はおよそ3週間。各教室の掲示板をクリックすると部活動や行事の動画を見たり、担当教師や生徒とオンラインで会話したりすることができます。
(種子島中央高校情報処理科3年 浦口美邑さん)「高校に入るのは受験もあって、中学生にとって大きな決断。授業風景や部活動を見て、こんなことしたい、頑張ろう、と思ってもらえたらうれしい」
メタバースを体験入学に生かしたきっかけの一つが、国が進めるデジタル教育の推進です。国は、子どもたちにノートパソコンやタブレット端末を1人1台用意するなどの「GIGAスクール構想」を進めていて、今年度から高校の「情報I」の授業ではプログラミング教育などが必修になりました。
種子島中央高校では、指導にあたる教職員のデジタル技術への理解を進めるため、今年6月に中種子町のデータ分析会社・VillageAIと共同で研修を実施。およそ30人の教職員が最新のAIやメタバースなどについて学び、学校現場でデジタル技術を活用するためのアイデアを話し合いました。
(3年生の担任)「データ分析の力がまだまだなので、勉強して生徒の進路にいかせる面談ができるようにしたい」
(VillageAI 松本祐輝取締役)「まずは先生たちに現代のデジタルや最新の情報を取り入れてもらって、学校の現場で利用してもらえたら非常に有益」
そして、新型コロナの影響で中学生による高校への体験入学を以前のように対面で行うのが難しい状況が続いたこともあり、今回、新たな取り組みとして、生徒が主体となって体験入学にメタバースを取り入れることになったのです。
(種子島中央高校 栄楽将志教諭)「(生徒が)私たちの想像を超える企画や考えを出してくれて本当に助かった。高校の先生と会話しながら体験して、とても楽しい、有意義、という感想を聞けた」
このメタバースによる体験入学はすでに中種子町と南種子町で行っていて、今後、西之表市でも行う予定です。
そして、メタバースは場所に関係なく参加できるため、今後は県内外の中学生の体験入学や他県の高校との交流にも活用する計画です。
(種子島中央高校2年 内村優生徒会長)「島内での学校紹介としてメタバースを使用しているが、海を超えた日本全国の人にもっと種子島中央高校の仮想空間に遊びに来てもらえるような環境を作りたい」
コロナ禍もあり加速した教育現場でのデジタルの活用。高校生たちのアイデアと結びつき、新たな教育の形が種子島から始まっています。
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