大きなぞうりを編んで、疫病神を追い払う伝統行事が11日、松本市で行われました。

大人たちが力を合わせて作っているのは、幅90センチ、長さ130センチの「足半(あしなか)」と呼ばれる巨大なぞうり。

「せーの、はい!」

一方、子どもたちはワラをねじりあわせて、数珠の形に似せた長い縄を編んでいきます。

これを使って行うのが…、

「南無阿弥陀…」

ぞうりの前で車座になり、数珠を回しながら念仏を唱えます。

松本市の両島地区で江戸時代から続くとされる伝統行事「お八日念仏と足半」。

大きなぞうりを村の境に飾ることで「この村には巨人がいる」と思わせ、疫病神を追い払ったといういわれがあります。

小学生:
「分かりやすく教えてくれた。おかげで、うまくできました」
小学生:
「地域の人とかいろんな人と心が深まるのでいいと思いました」

念仏のあとには、足半ぞうりを集落の南北の境に掛け、1年間の無病息災を祈りました。

両島八日念仏足半草履保存会 井口幸信会長:
「実際にやりながら覚えていくしかないので、伝統を繋げるというのはそういうところが難しくなってくる」

行事は国の選択無形民俗文化財に指定されている「松本のコトヨウカ行事」のひとつで、両島地区では保存会が中心となって伝統を受け継いでいます。