日米首脳会談 注目点は?

会見の要旨。「USスチールは買収ではなく多額の投資を行うことで合意した」「アメリカへの投資を1兆ドル(150兆円)規模に引き上げる」「アメリカのLNG輸出拡大で合意」「アメリカの貿易相手国と同様の関税『相互関税』を課すと表明」として、これについての対象国は言及されなかった。

――日本側にとってまずまずの内容。

BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部副会長 中空麻奈氏:
成功と言えるのではないか。何人か外国人の投資家と少し喋ったが、彼らの注目点も「今回は日本が関税を持ち出されなかったら、石破政権の成功」と言っている人が多かった。なのでその意味から見ても成功だったと感じている。

――LNGを買ってくれという話は心配か。

BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部副会長 中空麻奈氏:
心配だ。というのは今のトランプ政策の一つとして、気候変動対策はいらないと言っていて、石油・石炭を掘りまくれという。アメリカの経済的にはそれでいいが、やはり地球規模で気候変動対策をしなければならないことを考えると、LNGを日本がバンバン輸入することになれば、日本としてもCO2を出すことに組してしまうことになるわけだから、これどうするんだろうと。そもそもコストも高い。ここはどう落とし前をつけるのかわからない。

――もう一つは投資。日鉄も投資だということであればこの1兆ドルに入る可能性がある。

現在の対米投資額。日本は一番たくさん投資をしている。既に8000億ドル弱。1兆ドルは無理な目標ではなく、日本企業にとってもアメリカに投資することはメリットが大きい。

BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部副会長 中空麻奈氏:
アメリカの市場が魅力的なので、どんどん出ていくことにはなるが、日本が長いこと経済成長できなかった一つの理由は、対内直接投資がなさすぎること。外にばかりお金を出していて、中に持ってこれてないという大問題を合わせて日本はどう解決するのか。

――日本企業はアメリカには投資するが、国内には全然投資しない。

BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部副会長 中空麻奈氏:
日本の経済成長は毎年1%ずつしていくと言っている。海外に投資するのはいいことだと思うが日本の投資はどうなるのかということをセットで考えてもらわないといけないと思う。