「与党寄り」玉木氏への批判がブーメランに 予算案、賛成も見据える?

前原氏が妥協の姿勢を示さないのは、夏の参議院選挙も見据えているからだろう。教育無償化の実現という実績を作ったうえで参院選を戦えるのであれば、「本予算に賛成する」ことも考えているのではないか。

前原氏は、国民民主党在籍時に、玉木氏と袂を分かった。それは、2022年に本予算に賛成すると表明した玉木氏に、「与党寄りだ」と異論を唱えたからだ。だが今、前原氏がしていることは、「自分たちの意向が通れば本予算への賛成もあり得る」という対応であり、かつて玉木氏を批判した言葉がブーメランとなってくる。

衆院選で議席を減らした日本維新の会は、いま一枚岩にはなっていない。共同代表になってから日が浅い前原氏は、党内の情勢を踏まえてどう立ち回るか。

教育無償化に関しては、代表の吉村氏も、実現できればいいと思っていて、日本維新の会として実現したい思いは一つのようだ。前原氏は、自民と公明との協議もしながら、党内の自分の足元を見ながらの難しい舵取りを迫られている。

(TBSテレビ政治部 長田ゆり)