第53回全日本実業団ハーフマラソンが2月9日、山口市の維新百年記念公園陸上競技場を発着点とする21.0975kmのコースで、2025海外ハーフマラソン派遣選考競技会を兼ねて行われる。男子の注目選手として細谷恭平(29、黒崎播磨)と古賀淳紫(28、安川電機)の名前も挙げられている。細谷はマラソンで2時間6分台を2回マークし、近年の代表争いでは必ず上位候補に挙げられる。古賀は20年の今大会日本人トップ(総合2位)の選手で、マラソンでも代表入りを自身に課している。黒崎播磨と安川電機はともに福岡県北九州市を拠点とするチーム。2人のライバル意識が好結果につながるか。
細谷は「全力で走る」ハーフマラソンに
細谷が今大会の目標を以下のように話した。
「大阪マラソン(2月24日)へのマラソン練習に組み込んだ上で、実業団ハーフで自己新を狙って行きます。この大会は過去3回出場して(19年8位、20年51位、21年6位)、20年は練習のペース走として出場しましたが、残り2回は入賞できています」
19年は出場しなかったが、20年と21年は、2~4週間後のフルマラソンへのステップとして山口を走った。昨年の今大会6位(1時間00分51秒)の土井大輔(28)もそうだったように、黒崎播磨はマラソンに近い日程でハーフマラソンの試合、または練習の20kmを全力で走ることが多い。
細谷は「人や年によって違うので、一概に毎回全力とも言い切れない」と言う。細谷も19年と21年は全力だったが、前述のように20年は練習としての出場だった。
「練習を含め、余裕を持って設定より良いタイムで行けたこともありますし、無理矢理そこに持っていくこともあります。そこは澁谷(明憲)監督のさじ加減で、動きすぎていたら18kmで止められたりすることもあります。今回は監督から自己記録(21年大会の1時間01分16秒)を狙おうと言われてます。自分でも、ここまでの練習がしっかりできていて、動かし切ってもガタつかない体ができていると感じています」
21年大会で自己新を出した時は、翌月のびわ湖マラソンで2時間06分35秒の自己新を出した。その後のマラソンで自己記録を更新できていないのは、2度の福岡国際マラソンが気象コンディションに恵まれなかったり、2度のシカゴ・マラソンはペースが安定しなかったりしたからだ。そういったレースが続いても2時間6~7分台で、上位に入り続けた。
今回のハーフマラソンで自己新を出すことができれば、それが刺激となって大阪マラソンでは、大幅な自己記録更新が期待できる。9月の東京2025世界陸上の参加標準記録、2時間06分30秒を大きく破るはずだ。
  
















