弁護士「(約26億円の賠償は)ほぼ不可能」

日比キャスター:
そして水原被告には、約26億円の賠償が求められています。返済はどうなっていくのでしょうか。
米・カリフォルニア州弁護士 鈴木淳司さん:
私は実際に、水原被告よりも桁が多いような事件の弁護人もしたことがありますが、回収はほぼ不可能だと思います。これまで水原被告が押さえられた持ち物のなかに財産があれば支払われるのですが、かなり難しいと思います。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
市民感覚からいうと、禁錮33年という話が出ていたなかで、水原被告がいろいろ司法取引をしたり認めたりということがあったとしても、約85%ダウンの4年9か月になるのが非常に不思議です。
水原被告は巧妙な手口で、繰り返し繰り返し詐欺を働いてしまいました。デビットカードを無断で使ったり、ベースボールカードを盗んだり、しかも国税庁にも嘘の申告をしています。検察側がいうような、抑止力のメッセージに本当になるのでしょうか。
米・カリフォルニア州弁護士 鈴木淳司さん:
それは、まさに私も感じていることです。この手の犯罪は一人で行うことができず、胴元や、胴元だけではなく後ろに大きな組織があると思います。
政府としては、麻薬などもそうですが、大きな組織を壊滅させるためには、できるだけ政府側の承認をしてくれる人を集めることが重要になってきます。
水原被告氏のやったことは金額も大きく、メイさんがおっしゃるように非常に悪質だとは思いますが、検察側の見方としては、一つの駒に過ぎなかったのではないかという感想を持ちました。
山内あゆキャスター:
ギャンブルの胴元の捜査も、ちゃんと進んでいるのでしょうか。
米・カリフォルニア州弁護士 鈴木淳司さん:
連邦の警察や検察というのは表に出ないように捜査するので、なんともいえませんが、そういう組織に繋がるような情報が出てきている可能性は十分に考えられるでしょう。
その情報が仮に水原被告から出てきていたとすれば、検察側としてもここまで(禁錮の年数を)落とすというインセンティブになったと思います。