■真夜中から店主がたった一人で仕込む“オヤジが作る母の味”


午前0時30分 
お弁当のかわの 井上康一店主(48)
「今から仕込みをします」

――従業員の方もいらっしゃる?
「誰もいないんですよ」

せわしない昼間とは正反対。静まり返った厨房。人件費削減のため、仕込みは店主の井上さん、たった一人です。


睡眠時間は、2時間半なんて日も…

お弁当のかわの 井上康一店主(48)
「(鶏肉を)今ザルにあげて水気を切ったらタレにつける感じ」

人気のおかず「竜田揚げ」。90キロの鶏肉に下味をつけていきます。

この日の魚弁当のメインは「シマホッケ」。身も厚く大きいため一度に焼けるのは25枚。焼きだけで10回も繰り返し見事な山積みに!


さらに…ご飯は「宮城産のひとめぼれ」。毎日200キロ分も炊いているんです。

♪ピロン(通知音)

お弁当のかわの 井上康一店主(48)
「これも今、お弁当の注文が入った」

――今午前2時15分ぐらいですけど?
「寝る前に注文したんだと思う」
             
深夜2時過ぎ、厨房に鳴り響いた“弁当注文”の合図。

ネットで予約が取れるため、真夜中にも常連客の注文が…

お客さんのメッセージが嬉しいんだそう!

お客さんのメッセージ
「いつも美味しいお弁当ありがとうございます!揚げたて出来立てで、よそでは食べられません」

仕込みを続ける店主。調理で使うのは、傷やサイズの揃っていないB級品の野菜。

お弁当のかわの 井上康一店主(48)
「2割仕入れが下がって2割を儲けるのじゃなくてその分たくさん盛りつける」

美味しく調理してしまえば関係ない!ナスは味の染みた「煮びたし」に。

小さなエリンギは、お弁当のおかずに。

お弁当のかわの 井上康一店主(48)
「自分が食べたいな、今食べたいな、と思ったものをすぐ出せるのが商売やっててよかったな」

元々は大手ハンバーガーチェーン店で働いていた井上さん。その時の“先輩の家族”が経営していた弁当店を引き継ぎました。

お弁当のかわの 井上康一店主(48)
「自分がお母さんの気持ちになって作ってるってのありますよね。でも実際作ってるのはオヤジなんで(笑)」

毎日食べるお弁当だからこそ愛情を込めて作る。それが井上さん流の“おふくろの味”。

押し寄せる値上げの波に悩んでいます。でも、家に帰れば疲れも悩みも吹き飛ばしてくれる2人の子ども達が!

――お父さんのお弁当食べる?

莉々子ちゃん(小5)
「よく持ってきてくれて、惣菜をみんなで食べます。コロッケが一番おいしい」

芽生子ちゃん(小1)
「私唐揚げ好き」

莉々子ちゃん(小5)
「いつも頑張ってくれてるから自慢のお父さんです」

大切な家族、そして店を守りたい!
10年ぶりに“50円の値上げ”を決めました。