ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から7か月が過ぎました。岩手県北上市では4日、市内に住むウクライナ出身の女性が侵攻に苦しむ祖国の状況を伝えようと講演しました。

(トムシンスカ・ナターリアさん)
「1日2人のこどもが殺されている」

 市民を前に軍事侵攻の現状を訴えるのはウクライナ・ドネツク州出身で北上市在住のトムシンスカ・ナターリアさんです。ナターリアさんはウクライナにいる母親やインターネットで集めた映像を編集し、ウクライナの状況を説明しました。

(ナターリアさん)
「バスからみんな降りて膝立てて感謝している」※亡くなった兵士を運ぶ車を市民が見送る様子を解説
「パパのにおいするんだけど」※家に帰ってきた兵士と娘の再会シーンを翻訳
「きょうはいいほう、11度。この間マイナス2度」※現地ボランティアの話を翻訳

 講演会ではインターネットでつないだ現地ボランティアから、これからは寒さの中での戦いになると伝えられました。

(市民)
「(映像)見るたび辛いです。1日も早くウクライナの人たち、子どもたちに幸せが来ていただきたい」

 9月30日、ロシアがナターリアさんの生まれ故郷のドネツク州などウクライナの4つの州を併合すると発表し、ナターリアさんは大きな衝撃を受けました。

(ナターリアさん)
「絶対取り戻せると信じている。好き勝手やるのは許してはいけない。日本でもウクライナの旗が輝いていて応援してるなって、よしがんばろうって、そういう気持ちに(ウクライナの人々が)なるみたい」

 ナターリアさんはウクライナの人たちを勇気づけてほしいと日本からの継続的な支援を呼びかけていました。