上限引き上げで支払いは困難に

藤森祥平キャスター:
たとえば、年収500万の方が月に100万円医療費がかかった場合、自己負担3割の30万を払わなければいけない。しかし、高額療養費制度により約21万円が高額療養費として払い戻され、自己負担が約9万円になります。
高額療養費制度の自己負担額引き上げの議論が進んでいくと、払い戻される金額が下がってしまいます。

この議論が進んでいる要因は、高額療養費の支給額というのが年々増えているというところにあります。2012年と比べると2021年は約7000億円も支給額が増加しています。
政府は自己負担額の上限を段階的に引き上げる方針でしたが、不安の声が上がっているため、修正を検討しなければいけないということです。
教育経済学者 中室牧子さん:
医療費の負担が上昇してることは確かだと思います。
私も数年前にがんになった際、この制度に助けられた人の1人です。年齢もまだ若く、まさかがんになると思っていなかったので、全く備えていませんでした。これに救われた人は、私以外にもたくさんいると思います。
立教大学経済学部の安藤道人教授に、「高額療養費の上限額を引き上げるとどうなるか」ということについての試算をしていただきました。1年を通じて高額療養費の上限まで自己負担した場合、手取り所得に占める割合が非常に高いということを示しています。

【「手取り所得」に占める割合】
年収200万:39.8%
年収770万円:26.5%
年収1650万円:32.3%
すべての年収区分で、手取りの20%~30%を超える額まで、医療費の負担がかかるということになり、支払いの難しさもここからもわかると思います。














