協議打ち切りで日産側の次の一手は

小川キャスター:
この協議打ち切りで、次の一手というのは日産側には何かあるんでしょうか。

片山記者
ホンダ側の関係者は「日産1社でやっていけないことぐらい分かっているはず」とはなしています。中国メーカーの台頭や、テスラのような新しいメーカーが出てくる中で、「このままでは生きていけない」という危機感でこの協議を始めました。しかし、それが見えなくなってしまった。

今後、日産がどう動いていくのか。一つは、完全に決別するわけではなく、EV事業などはホンダと協力していくということは変えないのではないか。統合することに比べたらスピード感は絶対遅いと思いますし、これが最善の道ではないのでは、という意見が多いです。

また、買収したいという意向を持っている台湾の「ホンハイ精密工業」による買収を受け入れ子会社になる、というのも一つの選択肢だと見られています。ホンダとの協議が破談になれば、もう一度ホンハイが出てくる可能性はあると思います。

トラウデン直美:
日産はホンダの子会社化は嫌だけど、ホンハイの子会社であれば良いという事なのでしょうか。

片山記者:
「子会社自体は嫌だ」というのは、基本的にあると思います。しかし、ホンハイは車の会社ではないことから、クルマ作りは自分たちが主導できるのではないか、と期待している日産幹部もいます。

小川キャスター:
日本経済への影響というのはあるんでしょうか?

片山記者:
自動車産業は非常に裾野が広いです。そういう意味では、ホンダも日産も、このまま先に進む道がないと下請け工場や部品メーカーなども困ることになる。そういった意味では、「早く成長できる道筋を見せてほしい」という声が部品メーカーからもあがっています。

放っておいて衰退していくことになると、日本経済全体にも打撃は大きくなると思います。

トラウデン直美さん
放っておくよりは、海外の企業のからの買収でも良いということでしょうか。

片山記者:
条件次第だとは思いますが、新たな道を行かないと、いずれにせよ単独でやってけないというのが見方です。