日本は迎撃できる?低い軌道の新型ミサイルには「かなり厳しい状況」

ーー日本は迎撃できるんでしょうか?
「日本を狙うミサイルはICBMほど速くはないので、日本のイージス艦それから『PAC3』である程度対処は可能だと思います。しかし、北朝鮮は『火星12』のミサイルのエンジンを使って別の弾頭を乗せて、その低い軌道で飛ばすものを作っているんですね。それが日本におそらく届くことになるということになれば、イージス艦は宇宙空間で対応するように設計されていて、遠いと当てづらく、むしろ高度70km以下の空間にある所では使えないんですよ。そのため、イージス艦などで当てることは困難になってくるということです。そうすると、『PAC3』しかなくなってくるんですが、『PAC3』はその防護範囲が狭いんですね。ですから日本の一部は守れますが、日本列島全体を守るにはやはりイージス艦いうことで、今回の火星12というよりは、低い弾道で飛ばしてくる新型ミサイルに対しては日本はかなり厳しいという状況です」
――核を搭載したミサイルの迎撃はどうなのでしょうか?
「核を搭載するかにかかわらず、ミサイル防衛は同じことなので、それ自体は持っているイージス艦とPAC3で対応していくことになります。しかしイージス・アショアという陸上に作る案がなくなってからは非常に迷走しています。きちんと議論して進めていくべきだと危惧しています」
北朝鮮の核実験「国連安保理が機能せずフリーハンド状態…いずれ必ずやるだろう」

――北朝鮮が核実験を行う可能性はどうでしょうか?
「いずれは必ずやるだろうと思います。とにかく北朝鮮はフリーハンド、特に安保理での決議が出ていませんから、北朝鮮にとってはチャンスですね。しかし、5年はやっていないので核の技術開発も進んでいます。その地ならしとして、色々なミサイルを先にやっておきたいことが一番可能性として高いと思います」
ーーそして核よりも先に試しておきたい技術はあるのでしょうか?
「はい。もう作っているけれどもまだ成功していないミサイルが何種類かあって、実は去年、北朝鮮は非常に野心的な軍事計画を発表してるんですね。その中には新型の武器もたくさん出ています」
(2022年10月4日MBSテレビ「よんチャンTV」より)