「ウクライナは主権国家じゃなくなっちゃう」
トランプ大統領が停戦させると言い切ったウクライナ戦争。トランプ氏就任後ゼレンスキー大統領は言った。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「トランプ大統領は今年中に戦争を終わらせるためにあらゆることをすると私に言った。我々は今年中に戦争を終わらせたい。しかし“早急に”というだけでなく何よりまず“公正に”だ」
トランプ氏は就任式の後、いくつもの大統領令にサインしながらこう言っていた。
「ゼレンスキーはディールしたがっているがプーチンはどうかな…、ディールすべきだと思うよ。プーチンはロシアを破壊していて大問題を抱えることになる」
22日にはSNSにプーチン氏に向けた投稿をしている。「この馬鹿げた戦争を止めろ。もしディールをしないならロシアからのすべての輸入品に高水準の関税・制裁をかける」
一方、プーチン大統領は「アメリカの新政権との対話には前向きだ。もっとも大切なことは危機の根本原因に対処することだ」
対話に前向きというが、ロシアの停戦条件はロシアが占領した4州からのウクライナ軍の撤退、NATO加盟断念。

東京大学先端科学研究センター 小泉悠 准教授
「(その撤退と断念は)プーチンが停戦交渉を開始する条件で、つまり話し合いしたかったらこれはまずやれと…。実際の停戦条件は政権交代して親露派の大統領を呼び戻せ。で、軍の解体。その通りにしたらウクライナは主権国家じゃなくなっちゃう」
プーチン氏の高すぎるハードルに対して“力による平和”は通用するのだろうか…。
慶應義塾大学 森聡 教授
「ウクライナ支援を一時的に増強してロシアを劣勢に立たせて交渉につかせる…。でも上手くいくのか…。無期限にやっていたらバイデン政権と同じ」
プーチン氏に制裁解除を条件に譲歩させるというアイディアも効果があるとは思えない。さらに心配はトランプ氏にとって戦争を終わらせることが目標なのでプーチンが譲歩しないならウクライナに折れさせるという方法を選ぶかもしれない…と森教授は言う。さらに最悪のシナリオは、停戦が上手くいかないで時間だけが流れると…
慶應義塾大学 森聡 教授
「停戦ができないなら、ウクライナ支援の負担はヨーロッパに転嫁していく。これはヨーロッパの問題だろって…。こういったところも6月のNATO首脳会談で話されるかと…」
このトランプ的“力による平和”、台湾ではどうなるのだろう?