更年期症状に苦しんだ40代 女性の力になりたいと起業
▼OIST客員研究員 オリガ・エリセーバさん(医学博士)
「仕事ができなくなっているときに、自信を失ってしまう自分がいて、自分は何もできない人間だとすごく思うようになった」
自身の経験をきっかけに、同じように悩む女性たちの力になりたいと3年前に起業。更年期専門のオンライン診療サービス「ビバエル」をスタートさせました。
▼オンライン診療の利用者
「どこかでリラックスしてから次のことをしないと、調子が悪くなるのがここ数か月間で分かったこと」
ビバエルの診療サービスは、カウンセリングから医師による診察、処方、処方された薬の郵送までをワンストップで担います。
診察を担当する産婦人科医の髙宮城直子さんは、更年期症状があり、複数の医療機関を受診しても、適切な治療にたどり着けない女性を多くみてきました。
▼産婦人科医 髙宮城直子さん
「近いところに更年期専門の婦人科がない人もいる。2時間くらい運転しないと病院に行けない、いっぱいで入れない、アクセスが悪い人もいる。オンラインでゆっくり話を聞いて、それぞれに合う治療を探してあげる」
更年期症状を自覚している人の中で、症状を我慢しながら過ごしている女性の割合は8割を超えることが明らかになっています。
その理由については「休むと仕事や家事などに支障が出る」が最も多く、「我慢できると思っている」「対処法がわからない」といった声もあがっていました。
▼OIST客員研究員 オリガ・エリセーバさん(医学博士)
「日本の女性やアジアの女性に多いと思うが、我慢する文化なんですよね。更年期は我慢して過ごすものと思っている」
ビバエルは更年期症状を抱える全国の女性が対象で、サービスを開始してからこれまでに約500人が利用しているということです。
▼オンライン診療の利用者
「病院に行くと診察が5分くらいなので、全部の状況を説明できない。でもオリガさんはちゃんとしっかり、長い時間をかけて診察し『また次も』と言ってくれる。ちゃんと聞いて判断してくれるので、すごく安心する」
「更年期症状は我慢するもの」という考えを変えて欲しい。オリガさんは悩みを抱える女性たちに寄り添い、前を向けるよう後押ししたいと意気込みます。
▼OIST客員研究員 オリガ・エリセーバさん(医学博士)
「前向きになれる女性たちが増えることは、社会のために大事なことだと思う。どうしても女性たちは自分のことを一番最後に考える。私たちのサービスに出会うことによって、自分のケアの大事さを分かってくれる女性が増えたらいいな」
【キャスターメモ】
オリガさん自身も、3人の育児と仕事で日々を忙しく過ごすなかで、更年期症状を感じていながらも、自分のケアを後回しにしてしまっていたそうです。今後は体制を整えて、事業の拡大も考えているそうで、より多くの女性をサポートできればと意気込んでいました。