兵庫県大会決勝 先制したのは報徳学園

 兵庫県大会の決勝は、準決勝を圧倒的な強さで勝ち上がってきた報徳学園と関西学院が激突。長年、兵庫の高校ラグビーをリードしてきた両雄の対戦となりました。勝てば、近畿大会でのシード権を手にできる重要な一戦、昨シーズンの主力メンバーが残った両チームの対決は、シーズンの序盤とは思えない予想どおりのハイレベルな攻防となります。

 先制したのは報徳学園。開始3分、風上をうまく利用して敵陣深くまで攻め込むと、報徳らしい素早いバックス展開からWTB石井大輔選手がトライ。ゴールも決めて幸先よく7点をリードします。

 今シーズンのキャプテンを務める山口鉄心選手が「(1年生が多いとはいっても、昨年のメンバーが要所にいる)手強い相手、厳しい試合になると思っていただけに、この先制点が大きかった」と振り返った報徳、直後の攻撃でもチャンスをものにします。さらに7分、今度はスクラムを押し込んで敵陣のトライエリアに迫ると、FW陣の連続攻撃から最後はLO野村日進選手がトライ、SO平賀快選手が慎重にゴールを決めて14対0とリードをひろげました。

 一方、ゲームの入りで後手に回った関西学院。この後ようやく攻守のリズムを取り戻します。スクラムを立て直して安定した攻撃につなげると、ボールを失っても規律のとれた戦いぶりでピンチをしのいでいきます。キックで押し込まれる苦しい時間も続きますが、粘り強いディフェンスで得点を許しません。

 そして17分、自陣の深い位置から一気にカウンター攻撃を仕掛けると、昨年からの主力メンバーの一人、FB木山仁平選手が巧みなステップで報徳のディフェンスをかわしてトライゾーンに飛び込みます。ゴールを決めて、14対7とワンチャンスで追いつける差に迫りました。

 攻め込みながらも、逆襲を許した報徳。しかし、フィールド内の選手達は落ち着いていました。直後のキックオフから高い集中力で試合の流れを引き寄せます。キックオフから厳しく競りかけてボールを確保すると、FL山森豪太選手の突破で一気にトライエリアに迫ります。最後は、FW陣が力強くラックサイドを突いてPR武井大智選手がトライ。ゴールも決めて21対7とすぐさま突き放しました。このトライで再び勢いを取り戻した報徳学園は、前半終了間際にも報徳らしいスピーディーな攻撃からNO8山口主将がトライ、26対7とリードをひろげて前半を折り返しました。