トランプ氏支持拡大 民主主義は?
国際政治学者・市原麻衣子教授は、第1次政権から大きく変わったものに規範のあり方を挙げる。

一橋大学大学院法学研究科 市原麻衣子 教授
「以前は、トランプを支持していてもそれを言いにくい環境があった。隠れトランプ現象なんて言われていましたが、それが時間を経て、トランプの排斥的な言葉を良しとする、トランプを支持する立場を明らかにすることを厭わなくなったという人が圧倒的に拡大しました。これはつまり、規範の在り方として、LGBTQや女性、移民といった弱者に対する排斥をすることが問題ではない、悪くはないというような社会の雰囲気を作ってしまっている」
そんなトランプ氏支持の底流にあるものをこう考える。
一橋大学大学院法学研究科 市原麻衣子 教授
「自分たちに経済的な利益をもたらしてくれて、自分たちの尊厳を回復してくれる。わかりやすく敵を作って、敵と我々というふうに分けてくれる。そういうような政治家がどうしても望まれてしまう、惹きつけてしまうというところがありますね」
そして、議会襲撃事件の受刑者に恩赦を与えたことが及ぼす影響を憂慮した。

一橋大学大学院法学研究科 市原麻衣子 教授
「法律をものともしない政治家がいる、大統領がいるというような状態は、もうすでにそれは法の支配と呼ばれませんので、これは典型的なポピュリズムの症状なんですね。民主制に対しての信念も弱体化させますし、法律に対して、社会のガバナンスというものの在り方に対して、人々が政府を信頼できなくなっていくので、本当に深刻だと思います」
戦後の世界秩序や価値観をリードしたアメリカの民主主義を取り戻すことはできるのだろうか。
一橋大学大学院法学研究科 市原麻衣子 教授
「やるべきことは、やっぱり分断の架橋だと思うんです。例えば、経済的に恵まれなくて、あるいは教育がなくて不満を抱いている、自分たちの尊厳が失われていると考える人たちがいる中で、その人たちとどれだけ対人関係をきちんと作って、信頼関係を社会の中で構築していくかということがやはり重要だと思います」














