身寄りのない人を悼む 移動式の葬儀車とは
お葬式を行わない直葬が増える中、お寺の僧侶の間からも新しい葬儀の形を探る取り組みが始まっています

RKB 金子壮太 記者
「一見普通のバスですが、実は中は葬儀場になっていて、現在お葬式のデモンストレーションが行われています」

このバスは移動式の葬儀車で、車内に棺や焼香台が設置され、どこでもお葬式ができるようになっています。
この日は老人ホームの職員に向けて、デモンストレーションが行われました。

西楽寺・清浄 阿部俊之さん
「ご本堂を模したものになります。真ん中に阿弥陀様を安置して。職員の皆様が時間の合間を見て焼香できる、あと亡くなった方の友達が後ろから車椅子の方でも焼香ができるというのを目指してこの車を作りました。」
バスを作った阿部さんは福岡県みやこ町の西楽寺の元住職で、3年前から自ら立ち上げた葬儀会社「清浄」で移動式の葬儀を行っています。
主に、身寄りがなく病院や施設で亡くなった方が対象です。

デモンストレーションを体験した老人ホームのスタッフ
「身寄りのない人は、もうそのまま直接火葬っていう形になる人もいると思うんですけど、こうやって必要最低限ではあると思うんですけど、皆さんで送ってもらえるっていうのがいいところかなっていう思いましたね」
生活保護受給者からは”お布施”もらわない
警察庁が去年初めて行った調査では孤独死した高齢者は年間およそ6万8000人に上ると見られています。
阿部さんは移動葬儀車での葬儀を20万円とお布施、生活保護受給者からはお布施はもらわず行政から出る葬祭補助のみで受け付けています。
西楽寺・清浄 阿部俊之さん
「命を通して死を通して私たちの自分自身の命のありようを学ぶ場として葬儀をしてるので、できたら葬儀をしてほしい。しかし難しいですね。世の中の流れがそういう風になってしまっています。」