アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は4会合ぶりに利下げを見送りました。早期の利下げを求めているトランプ大統領との間で溝が深まっています。

アメリカのFRBは29日、去年7月以来、4会合ぶりに利下げを見送りました。

アメリカではこのところ、3か月連続で物価の上昇率が拡大していて、FRBとしてはインフレの再燃を防ぐため、金利を高い水準に保ちたい考えです。

FRB パウエル議長
「我々は金融政策も経済もとても良い状況にあるとみていて、利下げを急ぐ必要があるとは感じていません」

ただ、「利下げを急がない」というパウエル議長の方針は、トランプ大統領と真っ向からぶつかっています。

金利の高止まりは景気を冷やすため、トランプ氏は早期の利下げを求めているのです。

アメリカ トランプ大統領
「原油価格が下がれば、政策金利を直ちに下げるよう求める」

トランプ氏はFRBが利下げの見送りを決めた直後にSNSに投稿。パウエル議長が政策運営に失敗し、「史上最悪のインフレを招いた」と非難しました。

FRB パウエル議長
「大統領の発言についてコメントしたり、反応したりするつもりはありません。私がコメントするのは適切ではありません」

パウエル議長としては利下げを急がず、トランプ政権の政策を見極めたい考えです。

ただ、利下げを急ぐよう求めるトランプ氏の圧力は今後、さらに強まることも予想されます。