「性別は男女のみ」ジェンダー政策見直しの影響は?

アメリカ国民への影響はどうなるのでしょうか。

これまでパスポートやビザなどの公式書類には、男性、女性、それから、男女以外の性“X”がありましたが、この“X”の記載ができなくなります。さらに、連邦の刑務所や移民収容施設も男性・女性での区別になります。

これまでのトランプ派の動きとしては、▼スポーツ参加の制限、▼性自認に関連するトイレ使用の禁止などが、複数の州で可決されている状況です。

井上貴博キャスター:
トランプ大統領の政策は、理想・理念があるというよりも、支持を固めるための手段という印象です。多様性を「仮想敵」のようなものとして、多様性が逆差別になっていると不安を煽ることで、保守派に向けてメッセージを出し、支持基盤を固められます。トランプさん自身の“確固たる信念”とは違うのかなと思ってしまいます。

萩谷麻衣子弁護士:
そういう(支持を固めるため)こともあると思います。側近に強く保守的なことを進める方がいると、そっちに傾いてしまう危険性もあります。

多様性政策の廃止については、トランスジェンダーなどの保護が強いために実力主義になっておらず不公平、トランスジェンダー保護が女性の保護に繋がらない、というような発言もあるようですが、多様性を保護しないということは型にはまっていない人を差別することに繋がってしまいます。

人道支援の打ち切りもそうですが、トランプ政権の政策は一番弱い人を切り捨てていくことに繋がっていて、すごく心配です。

ホラン千秋キャスター:
男性・女性両方の特徴を持っている人もいると考えると、性自認だけでは線引きできない部分もあると思います。そういう点まで細かく考えているのか、自身のメッセージ性を重要視したいのか…アメリカではリーダーとしてどう思われているのか気になります。

萩谷麻衣子弁護士:
アメリカはこれまで自由と平等の国という建前を取ってきて、それに世界がならってきたところがあると思います。民主主義の同じ価値観を持つ国々が、アメリカに続いて多様性の価値を後退させてしまう可能性があることも非常に心配です。