原発事故以降、町民が帰還して初めての町長選挙で、無投票で4選を果たした福島県双葉町の伊澤史朗さんに、27日、当選証書が手渡されました。町の現状と課題について伊澤さんに聞きました。

1月16日に告示された双葉町の町長選挙。現職の伊澤史朗さんが、無投票で4期目の当選を決め、役場で当選証書を受け取りました。

伊澤史朗氏「初心に立ち返って、しっかりと町政に取り組んでいきたい」

福島第一原発がある双葉町は、3年前に住民の帰還が始まりましたが、町の居住人口は、1月1日現在で震災前のおよそ3%にとどまっています。

水津邦治アナウンサー「双葉町では、今駅のすぐ近くにオープンする予定のスーパーの建設が始まっています」

住民の生活にとって、買い物環境の整備は大きな課題。建設中の「イオン双葉店」は、町が建物を整備し、イオンが運営を行う「公設民営方式」で、オープンは今年夏ごろの予定です。

伊澤氏「住民のみなさんから買い物環境が非常に厳しい状況だという話を聞いていたので、少しずつではあるが、みなさんの生活のための取り組みが結果として進んできている」

もうひとつの課題は「教育環境の整備」。現在、双葉町の町立の小中学校は、いわき市の仮設校舎で授業が行われていますが、解体される予定の旧双葉中学校の跡地でこども園と小中学校が一体となった教育施設の開校を目指しています。

伊澤氏「一番最後に避難指示解除をした自治体として、次の世代を担う子どもたちの教育は大変重要なことですし、双葉町ならではの教育ということで色々な構想を持って取り組んでいく考えでいる」

伊澤さんは4期目の公約として「住民の帰還エリアを広げる」「インフラ整備の拡充」「新たな人材参入の仕組みづくり」などを掲げています。伊澤さんの4期目の任期は、3月10日から4年間です。