“人生の選択”の中で大切にしたこととは

人生の大きな選択を乗り越え、現在漫画家として活躍する水谷氏と、日夜患者さんの治療に励むまどか先生。その選択の中で大切にしていたことを尋ねてみると水谷氏は“面白がること”を挙げた。「それこそまどか先生に教えてもらった、『精巣がきれいだった』とか、医者の仕事でしか見られない世界があるということに、私は面白さを感じたんです。もしかしたら、この面白さが伝わらないかもしれないかもと思いながらも、きっと面白がってもらえる人もいると思ったので描いてみようと。まどか先生にたくさん資料を見せてもらえたことも大きいです」と教えてくれた。

まどか先生は“好きなことがあること”を挙げた。「久しぶりに中学の頃の卒業文集を見返してみたら、野球のことしか書いていなかったくらいずっと好き。私の場合は野球ですが、どんなジャンルでも、恋人や家族に話をすることでもいいので何か発散する術を持つことは大切です」と明かしてくれた。

誰にも等しく“人生の選択”を迫られる時が訪れるが、その種類や回数は人の数だけ異なる。水谷氏とまどか先生が出会ったことで生まれた作品もその1つだろう。なんでも「面白がって」「好きなことに熱中する」2人だからこそ、ユーモアのある医療現場の裏話が描かれているのだと感じた。