◆専門家に聞いた「無痛分娩のリスク」

 脊髄の近くに針を刺して麻酔を入れることに不安はないのでしょうか。大原医師によると、技術が必要な麻酔方法で多少のリスクがあると言います。一番多い症状として「頭痛」があげられ、全体の約1%で、症状に応じた治療が必要ですが、数日の間に治まるそうです。

 麻酔が本来とは違う場所に入ってしまうことで放っておくと呼吸や心臓が止まってしまうような、命にかかわるケースは3000例に1例程度、神経への障害は10000例に1例程度だということです。

 しかし、これらのデータはまだ日本では十分に症例数が集められておらず、海外のデータだといいます。大原医師は「初期のうちに対応すれば命にかかわらないが、対処ができる人員や設備がある施設かどうかが非常に重要」だと話します。

 また、麻酔薬を入れるための注射の痛みについても聞きました。針はワクチンの注射などと同様の細い針で、処置の際に大きな痛みの心配はないといいます。