人と犬の”老老介護”「犬より先に飼い主が…」行き場を失った犬たち
寿命が延びたことで、犬が病気などと付き合う時間も長くなりました。人間も同じように高齢化する中で、ある問題が生じています。
konomi動物病院 栗尾雄三院長
「『老老介護』ではないが、高齢者が高齢犬を飼っているケースが多い。飼い主がいつ入院してもおかしくない、犬を飼えなくなるかもしれないという状況は、世の中で絶対に多い」
栗尾院長は「犬より先に飼い主が亡くなるケースは珍しくない」と話します。

県動物愛護センターなどでは、原則、飼い犬は引き取っていません。また、高齢な犬は介護リスクなどから里親も見つかりにくいと言われています。
konomi動物病院 栗尾雄三院長
「人だと老人ホームがある。犬にもそういうものがある。あって当たり前になればいい」
konomi動物病院は行き場を失った高齢犬を引き取って、生涯世話をする「老犬介護」を5年前から続けています。引き取った犬たちは病院の2階で暮らし、栗尾院長やスタッフは家族のように接しています。

konomi動物病院 栗尾雄三院長
「この子も老犬介護で預かっている。シロちゃんとクロちゃんは10歳弱で預かったので14~15歳くらいになる」
この2匹を飼っていた男性は1人暮らしで病死。遠方や高齢などを理由に、親族などで引き取り手が見つかりませんでした。
病院は親族から犬の所有権を譲り受け、食事や散歩のほか、トリミング・病気の治療もしています。
konomi動物病院 栗尾雄三院長
「シロちゃん・クロちゃんは預かってから子宮の病気になった。うちの勤務医に手術してもらって元気になった。手術の勉強にもなっている」
老犬介護の利用者は犬の年齢や体重などに応じて設定された料金を支払い、病院が最期まで看取ります。中にはこんな犬も…。