日本女子中長距離のエース・田中希実(25、New Balance)が東京2025世界陸上を迎える年へ向けて沖縄県宮古島で本格始動した。昨年はパリオリンピック™では1500m、5000mの2種目に出場、ダイヤモンドリーグでは5000mで2年連続ファイナル進出を果たす等、東京2025世界陸上の1500m、5000mの参加標準記録(14分50秒00)を突破している。

一気にトップまで駆け上がりたいという気持ちはある

Q.今年、東京2025世界陸上を迎える
田中希実:

正直、パリ(パリオリンピック™)よりは成長した姿でむしろもっと一気にトップまで駆け上がりたいという気持ちはあるのですけど、その気持ちを新たにした分、東京2025世界陸上でトップを目指すには、まだまだ足りないところばかりが目立って、自分自身で目に付いてしまって、現実と理想が離れている状態です。どちらも自分にとっては、どちらの目線でも目標があるんですけど、理想だけで言ったらトップを目指したい所。現実を見た時には、少しでも現実で自分が出来る良い走りの再現性を高めていく事を地道にしていって、自分にとって“いい”走りがいつでも出せるようにという、最低限の所が目標で、そこさえ上手くいけば東京2025世界陸上に結果として結びつくんじゃないかなという気持ちです。

意識改革も「楽しさやワクワクの方が大きい」

Q.グランドスラム・トラック(※)に参戦し、世界のトップに挑むが
田中:
グランドスラム・トラックに選ばれる事自体が初めての大会という事もあり、選手の人数が50人以内と限られている中で、その中の一人に選んでいただいたという事自体がまず嬉しくて。これから参加するにあたって、参加するだけでも日本人として、何か陸上競技としての歴史を切り開けているかなと思うんですけど、自分の中では参加するだけという事にもしたくないという二つの思いがあって、まずは参加する事自体を楽しみつつ、東京オリンピック™のときのように、その気持ちで臨んでみたら意外と出来たっていうような自分でも思ってもいなかったような結果が付いてきたという事が起こせたらいいなと思っています。
※グランドスラム・トラック…陸上界のレジェンド、マイケル・ジョンソン(57、男子200m、400m元世界記録保持者)氏が新設した2025年より開催される賞金大会