MRIやCT検査用などの放射線機器の不適切な使用があったとして、岩手県医療局は20日、県立病院に勤務する診療放射線技師計10人を懲戒処分にしたと発表しました。技師本人や同僚に病気がないか調べる目的の他、機器の設定確認のために本来必要な医師の指示を得ずに撮影を行っていたということです。
それによりますと、2024年6月、県立病院に勤務する役付職員の59歳男性が医師の指示がないにもかかわらず、男性本人の病気を調べるためMRIの撮影を依頼し、診療放射線技師の一般級職員の37歳男性が撮影を行ったということです。この不適切な使用が法令・服務違反に当たるとして、県医療局は20日付で59歳男性を減給1か月、37歳男性を戒告の懲戒処分としました。
この事案を踏まえ、過去に同様の不適切な使用がなかったか県立病院に勤務する診療放射線技師約190人全員を対象に聞き取り調査が行われました。
その結果、2020年7月に同僚職員1人の病気を調べる目的でレントゲンとCT撮影が行われたとして、役付職員の53歳男性1人を減給1か月、31歳から49歳までの一般級職員4人と非常勤職員1人の男女計5人を戒告の懲戒処分としました。
また、2015年に自分の子どものためにレントゲン撮影を行ったとして一般級職員の55歳男性、2009年と2019年に資料の作成やCT装置の設定確認のために自らの体を撮影した一般級職員の37歳男性がそれぞれ戒告の懲戒処分となりました。
撮影された職員らはいずれもその後受診していて、それぞれ健康被害の報告はないということです。
県医療局は「このような事案が再び発生することのないよう全職員に対して綱紀保持を徹底していく」とコメントしました。