佐木島・宮島・音戸の瀬戸…「数よりも1人あたりの価格」狙いはインバウンドの “富裕層”

鞆だけでなく瀬戸内エリアでは、高級リゾートの進出が相次いでいます。

NOT A HOTEL(佐木島)

三原市・岡田市長(2023年3月)
「NOT A HOTELが三原市に進出して頂くことになりました」

三原市の佐木島で高級ホテルが建設中です。およそ3万平方メートルの敷地に別荘兼ホテルとなる高級リゾート施設が、2026年4月の開業予定です。

ヒルトン(宮島口)

廿日市市の宮島口に広島銀行が所有する保養所の跡地に、ヒルトンが高級ホテルを2028年に開業します。国内では京都に続き2軒目となります。

外資系ホテル(音戸の瀬戸)

呉市ではこれまで保養施設などがあった「音戸の瀬戸公園」に外資系ホテルが2029年度の開業を目指しています。

ベラビスタ(尾道)

尾道市のリゾートホテルは全館リニューアルとなります。今月15日から営業を休止し。2027年夏の再開に向け工事を進めています。

旅行業界に詳しい専門家は背景にインバウンドの増加があると言います。

リクルートじゃらんリサーチセンター 
森戸香奈子主席研究員

「やっぱりサミットが結構影響が大きかったっていうのは地域でも言われているみたいで…」

インバウンド増加の要因としては
・G7広島サミット(2023年)で海外でも知名度がアップ
・円安の影響で特にアメリカからの観光客が増加
・山陽新幹線あることでインバウンドでも関西や九州、関東から移動しやすい

さらに、観光庁など国の方針、地元の取り組みが後押ししていると話します。

森戸香奈子主席研究員
「日本全体として、今ラグジュアリーホテルを増やしていこうっていう動きがベースにある。ゴールデンルート、東京・大阪あたりにどうしても集中してしまって、そういう地域がどうしてもオーバーツーリズムになりやすい構造になってしまっていて、地方にどうやってお客さんを分散していくかが課題の1つとしてある。その中に瀬戸内エリアは代表的な地方として入ってる。」

瀬戸内海エリアでは官民一体で観光地域づくりに取り組む「せとうちDMO」の活動が大きいと指摘します。

森戸香奈子主席研究員
「このせとうちDMOがですね、ファンドを持ってるんですよ、DMOの組織内に投資をする部門があって、各地域の地方銀行の出向者でできた株式会社で、積極的にインバウンド向けの宿の投資とか買収に舵を切ってるっていう動きがあるみたいです」

ターゲットはインバウンドの中でも特に“富裕層”だといいます。

森戸香奈子主席研究員
「人数をたくさん呼ぶよりは、1人あたりの価格を上げていこうっていう大きな動きがあるんですね。それは、観光地の人的なリソース等を考えても、たくさんお客さんを受け入れるリソースも今ちょっと厳しい、人手不足というのもあるので」