「遺体を出していただいただけで十分です」言葉いまも胸に

 地すべり現場で救助活動にあたった中越仁志さん。1人の命も救うことができず、主な仕事は「遺体の引き渡し」でした。いまも無念さを抱えたままです。

―――ご遺体を引き渡す際、たくさんの言葉を受け止められたと思いますが、印象的な言葉は?
 (中越仁志さん)「一番に言っていただいたのは『遺体を出していただけただけで十分です』。本来はそうじゃないと思う、本当は感情的になりたかったでしょうが、それを抑えていただけたので、次の現場に行けた」

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 中越さんは、震災を経験していない後輩たちに、日ごろの備えの大切さを伝えたいと言います。

 (中越仁志さん)「私たちは手作業でしかできなくて。新しい機材ができたとしても、それを使うのは生身の人間です。人間が使い方を知らないのはあってはならないこと。私が一番思っているのは『備えが大事だ』と。現場活動は訓練でできないものはできない。何事もばかにせずにやってほしい」

 阪神・淡路大震災の救助活動の最前線を捉えた1363枚の写真。その1枚1枚が、今を生きる私たちに訴えかけています。