噴火警戒レベルが2に引き上げられた御嶽山では、何が起きているのか。
専門家に聞きました。


名古屋大学地震火山研究センター 前田裕太(まえだ・ゆうた)講師:
「過去4回の噴火の前、いずれも地震活動が長期で活発化したということは、言われてはいますね」

火山地震学が専門の、名古屋大学地震火山研究センターの前田裕太講師。

御嶽山の火山活動は今、平時よりも活発な状態にあるとみています。

名古屋大学地震火山研究センター 前田裕太講師:
「2014年の噴火以降ずっと(火山性地震が)定常的に起きているっていうのも、それも、噴火前と比べるともうそもそも活発化している状態なんですけども、それに比べても、もう明らかに多いというのは、それは間違いないと思いますね」

名古屋大学の観測では、現在、地殻の変動は見られていないといいますが、特徴的な地震が観測されています。

前田裕太講師:
「火山では、普通の岩が割れるタイプの地震とは違って、亀裂の中を例えばガスとかが通ったりしたときに起きると言われているようなもの、ゆっくりした振動のタイプの地震というのが、よその火山ではよく起きるんですけども、御嶽山ではこれまで、2014年ときは噴火前も含めてあまり起きてなかったんですが、今回はそういった現象が結構多く捉えられているといった、そういう特徴がある」

今後の見通しについては。

前田裕太講師:
「前兆があって(レベルを)引き上げた後で、いつどうなったら引き下げるかっていう方がむしろ今、全国的に言うと実は結構課題なんですね。何か嵐の前の静けさじゃないですけども、一度、最大からちょっと減ってから(噴火する)ってこともあり得て、例えば2014年のときも、地震回数が一番多かったのは9月の11日だから噴火の16日前なんですね。なので、地震がちょっと減ってから噴くってこともありますので。そこは難しいとしか言いようがないところ」

名古屋大学では、木曽町にある研究施設を中心に御嶽山の火山活動の観測と分析を続け、県や地元の自治体にも情報提供していくということです。