キーマンは“ミニチュアの神”『訪れた人がミニュチュア気分になる仕掛け』

 今年6月初旬、関西エアポートの田中康太郎さんはプロジェクトのキーマンに会うために空港ロビーに向かっていました。
 そのキーマンというのは、ミニチュア写真家・見立て作家 田中達也さんです。
 偶然の田中同士ですが、田中達也さんは、日常にある物を別の物に見立てたアートを制作することで知られ、朝ドラのオープニングを手掛けるなど“ミニチュアの神”とも呼ばれています。
 中でも代表作はブロッコリーの森でピクニックを楽しむ家族。
 今回は、ちょっと発想を変えて、このブロッコリーをアレンジした空間を神戸空港につくろうと企画しているのです。

   (スタッフ)「これがブロッコリーです。田中さんいかがですか?」
 (田中達也さん)「いいんじゃないですか。リアルだなぁ」

 いつもの作品とは逆バージョンで、巨大なブロッコリーを展望台に置いて、訪れた人がミニュチュアになった気分を楽しんでもらう仕掛けです。

 でも、これまで空港のターミナル改修などを手掛けてきた田中康太郎さんは戸惑い気味。

 (関西エアポート 田中康太郎さん)
 「(これまでは)安全安心のためにとかっていう改修が多かったです。デザイン性の高いプロジェクトなので…未知です」
 リアルな巨大ブロッコリーをつくるには忠実な色の再現が欠かせません。そのため田中達也さんからは厳しい注文が。

   (制作業者)「ちょっとのっぺりした感じにはなるんですけど、塗装でこれくらいには見せられるかなと」
 (田中達也さん)「緑すぎる。新鮮じゃない感じもイヤ。こういう色味がいいなと。おいしそうな感じ」