『震度7』を経験した反省「起こりうる可能性への検討が弱かった」
しかし、阪神・淡路大震災で神戸が襲われた震度は「7」。室崎氏は最大想定をできていなかったと振りかえる。「震度6の想定でさえも、あくまで過去に兵庫県内で発生した地震。過去だけでなく起こりうる可能性に対しての検討が弱かったというのが反省」と。

気になった点を質問した。「神戸市の最大想定を震度7にする考えはなかったのか」と。
「震度7の想定を提起したとしても、対策が進んだかどうかは今でも分からない」と室崎氏は答えた。
「想定する最大地震は過去の地震だけではいけない」
「考えうる最大想定を」
阪神・淡路大震災や東日本大震災などの大災害を経験した現在なら何の違和感もなく受け入れられる考え方だ。いつか起きる次の災害での「想定外」を減らすため、考えられる限りの想定と対策を行う“思想”が必要だ。
◆取材・文 福本晋悟
MBS報道情報局 災害・気象担当デスク。「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」特別研究調査員。阪神・淡路大震災発生時は滋賀県在住の小学3年生。震災で両親を亡くし転校して来たクラスメイトと過ごした。