壊滅的な被害を受けることは間違いない

 六甲山地の断層の多くは活断層だと考えられるとしたうえで、「将来都市直下型の大地震が発生する可能性はあり、その時には断層付近でキ裂・変位がおこり、壊滅的な被害を受けることは間違いない」と記されている。

 この研究に関わった1人が、当時34歳だった地震学者、尾池和夫・京都大学名誉教授(84)だ。

 1970年代当時「活断層は繰り返し大きな地震を引き起こすもの」との知見があり、兵庫県南東部の六甲山の地下には「六甲山断層」が存在し、神戸市街地の地下を通ることが分かっていた。

 地震はどこで起きるのか―。そこで、発生頻度が高いものの人間が揺れを感じることはほとんどない微小地震(マグニチュード1以上~3未満)は「六甲山断層」で起きているかを尾池氏は調べた。高感度地震計を設置した結果、「六甲山断層」などの活断層に沿った地下約15km周辺に地震が集中していると分かったという。

 地震は浅い場所で起きると揺れが大きくなりやすい。ただ、当時の科学では、活断層の地震発生間隔が何年くらいなのかは、まだ明らかにはできなかった。