◆グラブに『四つ葉のクローバー』

そんな阪下のグラブに目をやると、四つ葉のクローバーの刺繍が施されていた。「幸せ=勝利を呼び込む投球がしたい」とこの刺繍を入れたそうだ。

出身は西宮市。関西を代表する複数の強豪校から誘いを受けたが、「岡田龍生監督が履正社から東洋大姫路に就任したのが一番大きかった。岡田監督のもと、高いレベルで野球をやってみたかった。」と、自宅から80キロ以上離れた東洋大姫路に進学し、親元を離れ寮生活することを決めた。

そんな阪下には果たさなければならない“ある人物”との約束がある。

「僕が中3の時に亡くなってしまったおばあちゃんと最後に交わした約束が『甲子園で活躍する』ということ。天国で見ているおばあちゃんに、甲子園で自分の一番いい姿を見せたい」。

センバツでの目標は「優勝」。甲子園で勝利を呼び込む投球を見せ、天国の祖母との約束を果たす。