■当時のMBS映像に偶然映る“安田さん”

当時のMBS映像に映る安田さん

「うわぁ…やっぱりって感じでした。やっぱりこっちにいるか…とドキドキして、吐きそうな感じやったことを覚えています」(安田さん)

発災2日後、1月19日にMBSが撮影した映像には、恵介さんの帰りを待つ安田さんの姿が、偶然映っていました。当時、安田さんと友人たちは、凍てつく寒さのなか、連日連夜声をかけ続けていたそうです。

あの日はどんな思いだったのか。震災30年を前に、友人たちが集まりました。

「雪山と同じ状況やから、寝たら死ぬかもしれない。声をかけたときに“うめき声”みたいなのが聞こえた。俺も聞こえたし、これは声をかけて励ましたほうがええんちゃうかと。それがスタートやったと思う」(安田さん)

「あの頃ずっとおったよな、みんな」「誰かは絶対いたよな」「小さい男の子が(がれきから)助かったのを聞いて。これはいけるんちゃうかと」(友人たち)

しかし発災5日後。恵介さんとの再会は、思わぬ形で訪れました。毛布に包まれた恵介さんの遺体。そばには母親と、泣き崩れる友人。もう、あの笑顔は見られません。