「スタメンはなかなか簡単に奪えるものじゃない」
石井アナ:今ご自身の成長っていう言葉がありましたけど、ペルージャはものすごくデータとか、数字にこだわるという話を聞きました。この部分は、どういう数字なんですか。
石川:僕たちのポジション(アウトサイドヒッター)に最初言われたことは、返球したときにサイドアウトが取れている確率、サーブのブレイク率、ボールに触ってる回数、ディフェンスなのか二段トスなのか、触ってる回数を重視するよ、っていうふうには言われていて。前半戦が終わったときとか、チームのサイドアウト率とかブレイク率とか、個人の選手がレセプションしたときのサイドアウト率が出てる数字をバーって見せられて。1位が確かポーランドのカミル・セメニウク(28)選手で70%で、5位くらいにウクライナのプロトニツキ(27)選手で65%、7位に僕で64%というふうにバーって出てたので。10位以内に3人いたので、それは僕たちの強さだみたいなことを言われたりとか。高い数字にあるっていうところとサイドアウトが取れてる確率が高いっていうところは、そのデータで証明されているので、そこはやっぱり保たないといけないみたいなことは言われましたね。サーブのブレイク率は1位かわかんないですけど、上位にセメニウク選手とプロトニツキ選手がいて僕はちょっと下だったので、そのサーブのブレイク率っていうところを今はあげないといけないのかなって思ってますね。
石井アナ:そこの具体的な数字を言われたことによって、石川選手の行動とかは変わったんですか?
石川:やっぱり返球率が高くないとまず、サイドアウトが取りづらいし。なので返球率というところは気にしますし、サーブのブレイク率に関しては、いいサーブを打てないとパスを返されたら相手のサイドアウト率が高くなってしまうので、常にいいサーブを打ち続けることとか、相手を崩すことっていうのは考えてはいますね。
石井アナ:そういう意味でも、この強いチームにいる意味っていうのがあるわけなんですね。
石川:日頃の練習から高いレベルで練習できているっていうことは何よりかなって思いますし、試合に出る回数は間違いなく昨シーズンよりも少なくはなってますけど、ゼロではないし。スタメンで出ることも全然あるし、試合に出る機会がちゃんとあるのでその中でしっかり自分のパフォーマンスを発揮していくといった部分で、このチームを選んで良かったなと思ってます。やっぱりレベルの高いチームで練習できてる意味は非常に感じてますね。

石井アナ:チーム内で、今同じポジションでセメニウク選手とプロトニツキ選手の2人が非常に良いプレイヤーで。特にウクライナのプロトニツキ選手は左で、すごいスパイクだし。ライバルであり、チームメイトであり、彼らをやっぱりデータの意味でも超えて、スタメンで全試合に最初から最後まで出る。やっぱそこのモチベーションも?
石川:もちろんありますね。スタメンはなかなか簡単に奪えるものじゃないなって思ってますけど、でもそれがモチベーションになってる。彼らも悪いときは全然あるし、そうなったときに僕が出て彼らよりもいいプレーをして勝利をつかめば、ちゃんと評価は上がってくる。今は出たときにしっかりとパフォーマンスをこなしているので、「困ったときに祐希が何とかしてくれる」っていうか、そういった役割になりつつあるのかなと思ったりはしているので。それはそれで面白いというか、結局競ったときに、最後コートに立ってるのが僕であったらいいなって思っているので、今はそこをモチベーションに。もちろんスタメンからプレーしたいっていう気持ちもありますし、でもそれをわかりながら、このチームに移籍してきたので、最初はこんな感じというか。
石井アナ:(試合を見てても)普通にやってたら勝つだろうなっていうその感覚がなぜペルージャにはあるのかっていうのが、僕は知りたいとこでもあるんですけど。
石川:やっぱり普段の練習からいい練習をできているところと、それをしっかり試合で発揮すれば、よっぽど負けないだろうなっていう感じは、僕自身練習したりとか試合に臨んでいて思います。今僕たちもデータを大事にしてるって言ったじゃないですか。データでサイドアウト率とか、ブレイク率はもうダントツ高いんですよ僕たち。レセプション、サイドアウト率は高い方ではありますけど、コンスタントじゃなかったりとか、あと一発で取れてるサイドアウトの確率があんまり高くなかったところとか。ディフェンスが数字として良くはなってるけど、まだ改善点があるとか。そういった改善点を、監督が数字も含めて自分たちに出してくれるので、それを改善していこうっていう話をしていて。それを改善していけば、ペルージャになかなか勝つのは難しい(と言われる)チームになるよっていうのは、監督から話をされているので。他のチームが僕たちに対して、より勝つのが難しくなるという(話を)数字も見せながら、スピーチの時にしてくれる。改善点を改善するための練習もしているので、より(ペルージャに)勝つのが難しいんじゃないかなと思いますね。
石井アナ:だから明確なんですね。「あんたたちこれやったらもう絶対負けないから」っていうのは今までのバレー経験の中ではありましたか。
石川:あんまりないですかね。「シーズンの初めはこうだった、でも後半はこうなっていった」と、数字とか見てても、悪くなってるところがなく、改善されてるんですよ。ちゃんとやってることは間違ってない、ちゃんと改善できてるんだなってことを、嘘じゃないというか、口で「お前らいい練習できてるよ、改善されてるよ」って気持ちを乗せるためだったら簡単ですけど、ちゃんと数字を出してみんなの前で話すので。
石井アナ:なんか今いろんなお話伺っても、充実してる感じがとっても伝わってきますけどもう、やっぱり心の底からこのペルージャに来てよかったと思ってます?
石川:思ってますもちろん。新しい経験というか、そういったものを監督からも、チームメイトからもそうだし自分の試合とか。やっぱりたくさんのことを今吸収できてますね。