経営者の「前向き」は「根拠のない前向き」

小川彩佳キャスター:
大企業の経営者の方々からは賃上げの意欲を明るく示すような声が相次ぎましたね。

小説家 真山仁さん:
ただ、2024年から好転した材料は何もないんですよ。「根拠のない前向き」ですね。「前向き」という言葉をこれだけ強調しなきゃいけないということに注目した方がいいですね。つまり「大変」ということだと思う。

賃金を上げるのは2024年の約束ですから、しょうがない。だから本当は地に足ついた「どう前向きなのか」ということを言ってほしいですよね。

小川キャスター:
街からはかなり切実な声が相次ぎました。てぃ先生は現役の保育士でもあいますが、現場ではどんな声が聞かれますか?

保育士 てぃ先生:
特に保育の現場では、「ちょうど10%ぐらい上がるんじゃないか」みたいな話も出ていますから、賃金が上がるということに対しての肯定感はすごくあるかなと思いますし、みんな喜んでいます。

ただ、政府が誤解していそうなのが、賃金を上げれば保育の現場に人が集まったり、人が辞めにくくなるんじゃないかというところ。

そこは僕は全くそうじゃないと思っています。多分、賃金を上げたところで人が辞めにくくなるというのは効果としてほぼないと思います。

そもそも、保育士の人たちは給料が安いことがわかっていてこの業界に飛び込んでいます。それでもやめるというのは、入ってからのギャップがあまりにも大きすぎる。

そのギャップが何かというと、やはり業務負担の部分だと思うんです。(賃金が)低い上に(業務が)大変というところ。

だから、給料を上げるだけではなく、業務負担のところも合わせて下げていかないと、政府が見込んでいるような人離れや集客などには繋がらないんじゃないかなと思います。

そこの現場感というのが、経営者や国も意識としてちょっと低いのかなと思ってしまいます。

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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「疑う力」

てぃ先生
保育士16年目の37歳 育児アドバイザー
SNSの総フォロワー数200万人超