まちの書店は「文化の拠点」「集う場」
この状況を打開するため、国をあげて支援策が検討されることになっています。「まちに書店は必要か」。この問いに対する答えは、店員や訪れた客のことばから浮かび上がってきます。
来店客
「知的文化の中心地でしたね」
来店客
「なんかいい本があるかなとか、情報を仕入れるところ」

文榮堂本店・花生雅文店長
「見て触って、表紙を見て選ぶ楽しみっていうのは、リアル書店にしかありませんので」
知識の元となる本と出会う場所。そして・・・
来店客
「みんながこう、集まれる場所だったのかなと思います」
従業員
「絵本を中心に、子どもが絵本を見ている間にお母さんお父さんたちが文具を見たり」
人々が集う場所です。
来店客
「本屋はどんなかたちでもいいからあった方がいいと僕は思います」
「知的文化の中心地」「みんなが集まる場所」として地域に愛されてきた書店は、温かい拍手に包まれて最後の営業を終えました。

組み合わせが新しい!書店が登場
一方、萩市には、2つの書店が新たにオープン。その1つが2024年6月末、萩城下町の古くからの町並みが残る萩市浜崎伝統的建造物群保存地区に開店しました。

出版社として20タイトルほどの本も出版する、神奈川県三浦市の「アタシ社」の書店です。この書店は、本を売るだけではありません。
「アタシ社」代表・ミネシンゴさん
「こっちのゾーンですね。こっちが美容院になります」

書店と美容室を組み合わせたこの店の名前は「本と美容室」です。「アタシ社」の代表・ミネシンゴさんは元美容師で、この形態を考え出しました。

ミネシンゴさん
「美容院って特に滞在時間も長いですし、そこにいい本との出会いっていうのが美容院の中で作れれば、本は売れるんじゃないかなと思っていますし。お互いにビジネスとしても生き延びられるんじゃないかなって」
「本と美容室」は神奈川県真鶴町にもあり、萩店で2店舗目になります。出版社の立場からも、直接本を販売できる書店の存在は大きいといいます。
ミネシンゴさん
「書店がなくなるっていうのは、まちの文化的な拠点が減るということでもあるとも思いますし、書店は小さな子どもからお年寄りの方まで気軽に寄れて新しい知識を蓄えるっていういい場所だと思うんですよ」