気軽に寄れるまちの書店。今、このまちの書店の全国的な減少が課題となっています。
山口県内では2024年4月末、山口市の老舗書店が閉店。その一方で、萩市には、2つの書店がオープン。それぞれの書店のあり方と書店の店員、そして訪れる客の思いを取材しました。(mixで2024年5月9日に放送した当時の情報です)
老舗書店が70余年の歴史に幕

来店客
「感無量というか、ほんと泣きそうです」
山口市中心商店街の「文榮堂 本店」。2024年4月末、長い歴史に幕をおろしました。「文榮堂」は1949年に創業された山口で老舗の書店です。「文榮堂 本店」では、学習参考書や政府刊行物、郷土本など幅広い種類の本をそろえるほか、教科書や文具も販売してきました。閉店を決めた理由は、売り上げの落ちこみです。タブレット端末などで見る電子書籍が普及し、購入方法が書店から通販に変化するなど、書店や本をとりまく環境が大きく変わってきました。
来店客
「ちょっとやっぱりさみしいなと。まちの中心にありましたしね。友達と漫画とかを買ったりとか、参考書とかも2階にあったので、一緒に見たりとかっていうのはしていました」

店員
「学生さんから来られてっていう方がすごく多いですね。涙目の方も先ほどはいらっしゃいましたけど、もらい泣きしちゃいけん、今仕事中だから泣いたらいけないと思って」
「本店」の閉店で、残る「文榮堂」は市内に3店舗となりましたが、そのうちの1つ「山口大学前店」は、5月10日をもって教科書のみの取り扱いに。

全国でも、書店の減少は課題となっています。日本出版インフラセンターによると、全国の書店の数は、10年前は1万4000店以上ありましたが、2023年は1万1千店ほどにまで減少しています。出版文化産業振興財団の調査では、県内には、書店がない自治体が5つあります。