◆6人を緩く繋いでいた希薄な関係性
被害者との面識がほとんどない中で、なぜ、ここまで犯行がエスカレートしたのでしょうか。犯罪社会学の専門家は、今回逮捕された6人の関係を“知り合いの知り合い”が、緩く繋がった『歪な関係』と評価します。
摂南大学現代社会学部 竹中祐二 准教授
「関係性が希薄、あるいは弱いからこそ『自分が離れたら何かされるのではないか』という不安感であったり…」
起訴状や捜査関係者などによると、事件当日、少年らによる長谷さんへの暴行は数時間にわたり、殴る蹴るの行為は、数百発にも及んだといいます。
直接暴行を加えたのは、川村被告と少年ら4人。八木原被告は、警察に対し『暴行には加わらず、笑うなどしてあおった』と話しているということです。

6人は暴行の様子や長谷さんに、謝罪させる動画をスマートフォンで撮影。
長谷さんの頭や腹を踏みつけ「全部出せ、全額」などと言って、キャッシュカードを奪い、さらに顔や腹を殴って、暗証番号を聞き出したりしていました。
専門家は、犯行がエスカレートした理由について、学校や職場など、ほかに居場所がない少年たちがつながりを失うことへの恐れから、互いの行為を抑制できなかったのではないかと指摘します。

摂南大学現代社会学部 竹中祐二 准教授
「“他との関係がそこしかない”という、ある種の強迫観念が『同調』というものに、繋がったのではないか」