◆《国会議員と地方職員はどう関わるべきか》

 一方、弁護士で、衆院議員と兵庫県の明石市長を務めた経験のある、泉房穂さんは、国会議員が、地方自治体の職員と関わること自体が問題だと指摘します。

前明石市長・元衆院議員 泉房穂さん
「ちゃんと筋の通ったことをやったら、ちゃんと適正に補助金は出ます。当たり前ですやん。口利きしなかったり、パイプがなかったら出ないわけじゃないんです。勘違いです」

「そこの言動が別にきつくなかったって、国会議員のために、地方の職員が動くことそのものが、おかしいわけですから」

これに対し長谷川議員は『北海道の成長戦略の戦いを覚悟を持ってやっている。行政に関与するのが政治家だ』と主張しています。

◆札幌市は、長谷川議員との面談は録音するとしたが…

札幌市は今年4月、一連の騒動を受け、今後、長谷川氏との面談の際には、音声を録音すると、明らかにしていました。しかし、札幌市の幹部職員は「これまでのような議事録の作成や録音の共有がなくなった」と話します。

札幌市の幹部職員
「以前よりも何が進んでいるのか、どんなことが話題になっているのかは、ダイレクトには掴みにくい知りにくくなっているような感じがする」


「市役所なのに、なんで国会議員の言うことを守って仕事しているのかと、そこに市民は不在なんですよね」


年末の記者会見で、職員からこうした声が上がっていることについて問われた秋元市長は…

札幌市 秋元克広市長
「録音の中で、現実的に威圧的な言動というものが、確認されたとは聞いていませんので…。単なる『やらせられ感』みたいな形が問題なのであって、そうではなく必要な項目として理解をして行動をしていくということについて、仮に一部の職員がそう思っているということであれば、それはやはり、きちんとした説明なり、仕事の指示の仕方にも課題があるのではないかと思わざるを得ない」


仕事量とスピード感を求める長谷川議員と指示に疲弊する自治体職員。双方の溝は、まだ埋まっていません。