「事実なのか、妄想なのか…」前総務部長の資料に県関係者は

報道特集の取材に応じた県関係者から、井ノ本氏が資料を見せてまわる様子を目撃したという貴重な証言を得た。

県関係者の証言
「井ノ本さんが大きな袋にプライベート情報をプリントアウトしたファイルを詰めて、県議達に見せに行っていた。

ファイルの中身は平成23年からの記述が時系列で並んでいた。プライベートな内容に思えたが、それが事実を書いたものなのか、妄想なのかはわからなかった。

井ノ本さんは『気持ち悪いでしょう。こんな奴が書いた告発文書なんて信用できませんよ』と勝ち誇ったように言っていた」

当時、元局長は存命だった。井ノ本氏が情報を県議らに見せた意図を、県関係者は「告発者潰し」であるとして次のように受け止めた。

県関係者の証言
「告発文書の内容とは全く関係ない、人格を貶めるだけの内容だった。これは元県民局長を追い込み、告発者潰しをするための動きだとしか思えなかった。だから、私は一切この動きに関わらないようにしたし、見た情報も誰にも言わずにきた」

元局長と親しかった現役の県職員は、情報管理が徹底されるべき総務部のトップが情報を漏洩した疑いについて、あってはならないことだと批判した。

元局長と親しかった現役県職員
「情報管理どうなってんねん、っていうのはやっぱり思うと思いますし、自分の意に沿わないとかいうことがあれば報復的なことは辞さないよ、というようなメッセージにうけとれると思う」

井ノ本氏は、10月の百条委員会でついたて越しに証言。情報を紙で所持していたと認めたが、漏洩に関しては言及を避けた。

前総務部長 井ノ本知明 氏
「違法行為はしていませんが質問自体が守秘義務違反に関するものですので証言を拒絶する」 

公益通報の対応に問題はないとする斎藤知事。百条委員会の翌日に開かれた会見で村瀬キャスターが問いただした。

村瀬キャスター
「適切だったというメッセージを発すれば発するほどですね、県庁職員の皆さんに対しては、『今後、同様な告発をした場合には、元県民局長と同様の取り扱いをする』というメッセージに聞こえると思うんですけど、それでよろしいんでしょうか?」

斎藤知事
「今回、公益通報(窓口)のほうから提言・改善点が出ましたので、外部通報の窓口を設置するということをしていきますから、これで当然組織の自浄作用が発揮するために公益通報をしっかりやっていただくということは大事だと思いますので、その取り組みは県としてもちろんしっかりやっていきたいという風に思ってます」