
さらに、改善されつつある被害者の支援は、十分ではないと感じています。
松本里奈さん
「日本の中でも、どこで被害にあったかで支援される度合いが違うというのが現実。この県ではこういう支援があったけれど、別の県の人は支援がないなど格差が日本全国でもあるし、県内でもある」
被害者が受けられる支援の”地域格差”です。
警察庁によりますと、ことし、犯罪にあった人やその家族を支援する『犯罪被害者等支援条例』は全ての都道府県で制定されました。しかし、市や町レベルでの制定は半数にとどまっているということです。広島県内でも見舞金の支給や転居費用の助成などを定める条例の制定は、広島市や呉市など14市町と全体の半数余りです。(※2024年4月時点)

松本里奈さん
「私たちはどんなにしんどくても自分たちで働いて、食事を用意しないと、服を買わないと…。裁判の打ち合わせや準備のためにも多額の費用がかかりましたが、それも自己負担です。被害者が自分で動かないと誰も守ってくれないという現実をもっとたくさんの人に知ってもらいたいです」
ある日突然、交通犯罪によって一家の大黒柱を失い、子ども2人との生活となった松本さん。それでも、必死に働いてご飯を食べて、日常生活を取り戻そうとするしかありませんでした。誰もが突然、被害者になる可能性があり、決して他人事に感じてほしくないと話します。
松本里奈さん
「被害者は特別な人だけがなるという意識が抜けきらないのだろうなと思います。普通に生活している中で、ある日の(事故を知らせる)電話で突き落とされるのは自分が経験してるから。本当に他人事ではないのですよと多くの人に知ってもらいたい」