ずいぶん寒くなってきて、虫などの生き物を目にする機会が減りました。苦手な方には快適な時期かもしれません。ところが、自分では動かない生き物、「カビ」は身の回りでひっそりと増え続けているかもしれません。

カビ対策について、害虫駆除や環境衛生保全に詳しい東洋産業の大野竜徳さんに教えてもらいます。

冷凍庫に入れたお餅にどうしてカビが生える?

ー冬にもカビが生えるというのは意外ですね。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「カビは暖かくてじめじめしたところに生える、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。だから梅雨などの蒸し暑くてじめじめした時期はカビが生えやすいですよね。冬はカラッと湿度は低く、温度も低いのでカビが生えにくいですね。それは正解です」

「ところが、問題なのはカビが生えない、ではなく、生えにくい、ということです。突然でお話が少しそれますが、お正月を迎えるとお餅を食べるご家庭も多いでしょう。お正月に余ったお餅を長持ちされるために冷凍庫に入れておいてカビをはやしてしまった経験がある方、いらっしゃいませんか?」

「家庭用の冷凍庫は規格で-18℃以下になっているはずで、しかも水滴などは凍ってしまっているはず…。そんな低温環境下でもカビは生育が遅くなりますが、死んでしまうわけではありません」

ーそうだったんですね!!

(大野さん)
「カビが生える原因は5つあり、温度、湿度、酸素、養分、基質の5つが揃うことです」

「カビが好きな温度は10~30℃くらい、湿度は60%以上、酸素や栄養がないと生育が止まり、植物の根のような菌糸を伸ばす場所(基質)がなければ生育できません」

「冷凍庫の中のお餅は低温でカチカチに凍っていますが、水分を含んでいて、酸素、養分はたくさんあり、お餅自体はカビが生えやすい基質になります。こういう理由で冷凍庫の中のお餅にカビが生えてしまうんですね」