■「即時にロシア国内の核兵器施設を共同で核攻撃する」

動員令を発する際の演説で、プーチン氏はこうも語った。
「我が国の領土の一体性が脅かされた場合、ロシアとわが国民を保護するため我々は無条件に持っている手段のすべてを使用する。これは単なる脅しではない」


この発言から、ロシアの核使用のハードルが下がったと小谷教授は読む。

明海大学 小谷哲男教授
「これまでも同じような発言はあったが、これまでは“ロシアの存続が脅かされた場合”と言っていたところを、今回は“領土の一体性が脅かされた場合”とハードルを下げていると読み解ける。そこはアメリカも注目している。(中略)ただ今のところ、核兵器を使う動きをアメリカは確認していない・・・」

核弾頭をミサイルの近くに配備するなどの動きは、アメリカは把握できるという。やはり今回も脅しなのか・・・。しかし、“領土”という言葉に懸念を抱くのは兵頭慎治氏だ。

防衛研究所 兵頭慎治 政策研究部長
「脅しだと思うが、かなりマックスな状態の脅しだと思う。それに領土と言っているが、住民投票を行う4州が併合された場合、ここもロシアが言うところの我が国の領土になってしまうのか、そうなると・・・」

そうなると、かなり問題は複雑化する。では、このプーチンの“核の脅威”をウクライナはどうとらえているのか、大統領側近は番組のインタビューに確固たる意見を訴えた。

ポドリャク大統領顧問
「ロシアが核抑止ドクトリンに基づき、戦術的ないし戦略的な核使用を利用しようとした場合、即時にロシア国内の核兵器施設を共同で核攻撃するということを国際社会が明確に宣言するべきです。これはウクライナではなくグローバルな社会の判断です」


いまアメリカのバイデン大統領はロシアに対し核攻撃をした場合の懸念をあらゆるチャンネルを使って伝えているという。果たして国際社会、そしてプーチン大統領はポドリャク大統領顧問の発言にどう反応するのだろうか。

(BS-TBS 『報道1930』 9月23日放送)