「物価高」をテーマに、2024年を振り返ります。川見真宵アナウンサーの解説です。
(川見真宵アナウンサー)
「よろしくお願いします。2024年も日々生活をする中で物価高や値上がりを実感した人が多かったのではないでしょうか?まちの声を聞いてきました」

(高校生)
「お菓子が結構値上がったかなって思って。これぐらいのお菓子を買うのにも、200円とか300円とかかかるようになったっと感じています。(Q.節約術は)買わないのが一番」

(高校生)
「(Q.値段が上がったものは)ラケットとかですかね。1000円から2000円ぐらい上がってるかな。手軽に手に入るようにしてほしいですね」

(60代)
「全部ですね。年金生活者ですので。年金はほぼ変わらないでしょう。それで物価がすごいでしょう、もうとても困ってます。(Q.節約術は)少しでも安ところをチラシで見て、買いに行くぐらいのことです」

「輸入車とか値段上がってますよね。現状としてはできるだけ無駄遣いしない」

(70代)
「スーパー行ったらなんでも野菜は高いわね。キュウリ1本こんなに(高く)なってると思って。前は50円ぐらいのものが100円ぐらいになったりして、それは感じるね。野菜がなんせ高いんよ食べたいけど」

(20代)
「お米とか値上がりしたかな。なのでスーパーで買わないようにしました。知り合いの(米を)作ってる方から譲っていただいたりとか。何千円単位で安くなりました。スーパーだとお米だったら、まとめてあまり売ってないじゃないですか。けど知り合いから30キロとか譲っていただいて、キロ単位で大きく買って、安く済むようにしてますけど」

(高校生)
「貯金を増やしていきたいので、本当に欲しいものしか買わないとかしていきたい」

(70代)
「全部高くなってるでしょう。大変なのよ。(妻に)給料渡しても、『あれ!全然足りませんよ』って言われる」
(藤﨑美希アナウンサー)
「生活に関わるほとんどのものの値段が高くなっている印象ですね。私もスーパーなどで価格を見て、二度見したり。あとは手に取っていたものを値段を見て戻したりが増えました」
(京面龍太郎アナウンサー)
「私たちも何度この値上げのニュースをお伝えしたかというような感じなんですけれども。長く続いている物価高、商品数でみるとどのくらいになるのでしょうか」

(川見真宵アナウンサー)
「こちらは民間の調査会社帝国データバンクがまとめた値上げ品目のデータです。2024年の値上げ品目は累計で1万2520品目が見込まれています。実は2023年と比べると品目だけでみると6割ほど少なくなっているんです。ただ問題は値上げ率です。2023年の平均15%に比べ2024年は平均17%と2ポイント上がっています。食品分野別で見ていきます。加工食品やしょうゆなどの調味料、チョコレート製品といった菓子など私たちにとって身近な食品が値上がりしました」

「主な要因がこちらです。原材料価格の上昇に加え、トラックドライバーの時間外労働の規制による物流費の上昇などが最終的に価格転嫁へとつながりました」
(京面龍太郎アナウンサー)
「燃料費や原材料価格の上昇は2024年だけのことではありませんが、4月の法改正に伴う物流の2024年問題も暮らしへの影響が出てきましたね」
(川見真宵アナウンサー)
「値上がりは食品だけでありません。公共交通も値上げラッシュが続きました」

路線バスと路面電車の運賃について、とさでん交通は11月に消費税の引き上げ時を除いて2014年の会社発足以来となる値上げに踏み切りました。またタクシーについては2020年2月以来となる運賃の改定が2024年2月に実施され、初乗り区間の距離が短くなったことで実質的な値上げとなりました。
(藤﨑美希アナウンサー)
「追い打ちをかけるようにガソリンの価格も上がりますね」
(川見真宵アナウンサー)
「そうですよね。高知は車社会ですから少し値段があがっただけでも厳しいと感じる人が多いと思います。こうして、暮らしに様々な影響が出る一方で、働く人を支えようという動きもあります」

「民間のシンクタンク四銀地域経済研究所がまとめた賃上げをした高知県内企業の割合です。2024年、正社員の賃上げをした県内企業の割合は86.6%でした。2023年から3.9ポイント下がりましたが、2016年に調査を開始して以降3番目に高い値となっています。同様に2024年の非正規社員の賃上げは60.9%とこちらも2023年と比べて2.8ポイント下がりましたがこれまでの調査の中では2番目に高い値となりました。賃上げの理由としては「物価上昇を考慮」が2024年は56.8%と2023年の調査よりも3.4ポイント上がっていて、企業の中でも従業員の生活を守る意識がより強まっていると言えます。また、2024年は県内の最低賃金が時給897円から952円と55円も大幅に引き上げられました。この引き上げ額は2002年度以降、最大となりました。
(藤﨑美希アナウンサー)
「10月には衆議院議員選挙がありました。ここでも『物価高』が争点の一つになりましたよね」
(川見真宵アナウンサー)
「選挙の結果、自民・公明が過半数割れし少数与党となりました。注目されたのが『手取りを増やす』ことを掲げた国民民主党です。石破総理は所信表明演説で『年収103万円の壁の引き上げ』を表明しました。ただ、自民党・公明党そして国民民主党による協議は、引き上げ額をめぐって難航しています。そもそもなぜ、少数与党となる今まで議論がされてこなかったのか、そこには国会の勢力図や社会情勢など様々な要因があるかもしれませんが、これからの私たちの暮らしが豊かになるのかどうか、今後の国会での議論にも注目があつまっています」