離島県の沖縄は部活動の遠征で飛行機を使うことが多く、他県に比べて派遣費が高額になります。
その負担が子どもたちの「スポーツをする機会」を損失させている実態が見えてきましたー

司会:みらいファンド沖縄 平良斗星 副代表理事
「派遣費に関わる課題感を聞いていこうと思うんですけど」

カーサ・オキナワU15 新崎恒監督
「強い時は県外大会に年に3、4回行ってたんですけど、派遣費が1回5、6万円。家庭環境に差があって、そういう経験ができないというのは、私としてはいいことではないと思っている」

部活動の派遣費問題を考える円卓会議。おととしから始まり10回目を迎えます。
会を開く、「公益財団法人みらいファンド沖縄」は2020年度から今年度まで、この派遣費を支援するモデル事業を行いその実態を調査してきました。

みらいファンド沖縄 平良斗星 副代表理事
「もちろんそれぞれの家計の状況によって、派遣に行けない子がいるという想像は当然できていたと思いますけど。その背景に、表に出ていない「諦め」がたくさんあるというところがわかってきた」

みらいファンド沖縄は10年以上出入金が確認できない「休眠預金」を原資にしたり基金を創設したりすることで、八重山地域を対象とする株式会社ハブクリエイトや、豊見城市体育協会、県サッカー協会の3団体を通じて昨年度は47大会に出場した638人に支援を行いました。

支援を受けた人たちの一人当たりの旅費負担は6万5000円あまり。行政の補助や地域の負担があっても家計の負担は5万円以上ありましたが、基金や休眠預金の活用で家計負担は2万3千円あまりに抑えられました。

その中で聞こえてきたのは、派遣費に悩んできた切実な声です。

小規模離島出身の大学生
「中学時代、派遣費にはお年玉やお小遣いを使用していた」

派遣常連校の顧問
「お金の問題で行けない世帯が出た時の生徒たちの精神的負担を考えると苦しい。派遣費負担が大きく休部する家庭もあった」