「皮膚を焼いた後に、皮を剥がされた」数々の拷問

取材中に出会ったのは、4日前に開放されたばかりだという男性。

アブドラさん「私はここにいたエリアス・アブドラです」
カーリドさん「カーリドです」
アブドラさん「どのぐらいいたのですか?」
カーリドさん「7年です」

2人は、この刑務所で受けた拷問について証言しました。

アブドラさん「看守は水槽の中に頭を入れるように命じました」
カーリドさん「『魚を探せ!』と言って電気を流すんです」

人権団体が集めた証言によると、サイドナヤ刑務所で行われていた拷問はわかっているだけで72種類あったといいます。

報告書
「皮膚を焼いた後に、その皮を剥がされた」
「針やネジなどを鼻や唇・耳・背中・手や足の裏など、いたるところに刺された」

刑務所の地下に広がるのは真っ暗な独房。この部屋で、わずかな光を頼りに過ごしていました。

元収容者 エリアス・アブドラさん
「看守がドアを開く音がしたら、立ち上がってこんな体勢をとらなくてはいけないんだ。目を瞑っていなくてはならず、彼らは入ってくると、何度も殴ってくる。何度も、何度も。それでも、言葉を発してはいけない」

食事のときも…

元収容者 エリアス・アブドラさん
「これが私たちの食べ物です。ここには光がないため、何を食べているのか見えません。食べ物の中に虫がいると、虫も一緒に食べることになります。でも虫を食べていると分かった時は嬉しくなります。唯一のタンパク質だから」

アブドラさんが収容されていた数か月の間に、40人から50人が死んでいったといいます。