予防策は?クリニックではどんな検査をする?
―――インフルエンザや新型コロナはワクチンがありますが、マイコプラズマ肺炎はワクチンがないようですね?
「マイコプラズマ肺炎に関しては、予防のためのワクチンがないです。また、一度感染するとそのタイプには感染しにくくなりますが、マイコプラズマ肺炎にはたくさんのタイプがあるため、翌年も感染する可能性はあります。このように、なかなか厄介なのがマイコプラズマ肺炎です。ただ、ひとつ注意してほしいのは、マイコプラズマ肺炎の“手前”のマイコプラズマ気管支炎の状態で治る人も多いので、全員が重症化するわけではない。軽症のまま終わる人もいます」
―――「風邪かな?」と思ったら、クリニックに行く人が多いと思いますが、どんな検査をするのでしょうか?
「インフルエンザと新型コロナは同時に検査することが多いです。鼻の奥を綿棒でこすり取り、それを検査をして、10分~15分で結果が出る。マイコプラズマ肺炎の検査も実は似たような検査で、鼻もしくは口から喉の奥をこすり取り、それを抗原検査キットで検査して15分程度で結果が出る。精密なものは結果に2~3日かかります。クリニックとしては、発熱していれば、今も電話をしてから来ていただけると大変ありがたいという状況です。新型コロナの感染力は強く、待合室で飛沫が飛んでしまって他人に感染させてしまうのはよくない。待機室を作っているクリニックなども多いですから、できればお電話していただいて、来ていただく方がありがたいですね」
―――現在、薬不足が深刻なようで、非常に気になるところです。
「風邪・インフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマ肺炎の薬に限らず、現在、医療の中で薬が慢性的に不足しているような状況です。ジェネリックの問題とか、薬価が下がっているという問題で企業が撤退するとか、そういうことからくる薬不足があります。3つの感染症の中でいうと、マイコプラズマ肺炎に対する小児の薬が一部不足しているので、供給が滞っている状態になっています。ここは非常に我々としても深刻な問題です。感染症に限らず、薬不足というのは非常に問題となっております」
―――最後に、改めて予防策をお願いします。
「今まで通り、手洗いをしていただく。今の季節は湿度が下がってきますので、湿度を上げるように加湿器を使う。また、大人数が集まる場所や症状がある人と話をするときはマスクをしたり換気をしたり、今まで通りの対策をしっかりとやっていただくということが重要かと思います」