「家賃値上げ」について法律は?通知時期は前日でも可能
そもそも家賃の値上げについて、土地や建物を借りる際の法律『借地借家法』が適用されます。

家賃値上げの条件(第32条)として、▼土地建物に対する税金などの負担増加、▼土地建物の価格上昇などの経済事情の変動、▼近隣の同じような物件の家賃よりも安い場合など、これらの条件が当てはまる場合、家賃の値上げが可能になります。

しかし、賃貸住宅のトラブルに詳しい上原幹男弁護士によると、「家賃値上げの通知時期についての法律はない」ということで、法律上は前日でも可能という事です。
ホラン千秋キャスター:
前日に通知された場合、払えないから出ていこうとしても、それに対応する時間がなさすぎて困る方もいると思います。仮に前日に通知が来て、値上げした金額の家賃は払えないが、引っ越すまでに時間が必要だから、ひと月だけ住むことになった場合も改定された金額の家賃を支払わなければならないのでしょうか。

上原幹男弁護士:
通知はあくまで“お願い”になります。そのため、通知された金額を払わなければいけないわけではありません。通知が来たら、とりあえず貸主さんと連絡を取り、「この金額をすぐ払うのは厳しい」と相談するところから始まるかと思います。
井上貴博キャスター:
家賃の値上げ通知が来たので貸主さんと交渉して、値上げ幅を下げてくださったことも経験としてあります。便乗値上げなどの可能性もあるので、交渉することはとても重要だと思います。家賃に限らず、駐車場代なども同じ感覚で捉えてよいのでしょうか。
上原弁護士:
借地借化法は土地・建物に関する法律なので、駐車場はまた別の話になります。ただ賃上げの交渉自体は同じ理屈なので、交渉することは可能です。敷地内の駐車場なども同様です。
ホランキャスター:
急に値上げになって困る借主の気持ちもわかりますが、貸主側にも様々な事情があるということですね。契約の更新時期ではなく、途中契約の途中であっても、家賃の値上げ通知をすることは可能なのでしょうか。
上原弁護士:
家賃の値上げは契約の途中でも可能です。ただ、契約書に「契約期間中は値上げしない」と書いてある場合は更新時になります。
井上キャスター:
値上げ幅や時期がかなり抽象的な気がしますが、法律で明文化されないのでしょうか。
上原弁護士:
経済情勢に合わせた変化をさせたいため、上げ幅を決めることは難しいかと思います。また、家賃を下げることも可能だと法律には書かれていました。その時の情勢に合わせて、柔軟に対応できるための法律だと考えます。