44年ぶりの「戒厳令」に韓国社会が揺れています。「戒厳令」とはどのようなもので、今回、踏み切った背景とは?
“政治活動の禁止”や“報道統制”も…韓国の「戒厳令」とは

戒厳令とは一般的に、「非常事態」だとして通常の法律の効力を部分的に停止するもので軍事力によって民主的な政治活動や市民生活を制限する措置のこと。
韓国では「戦争に準ずる非常事態」などに大統領が「非常戒厳」を宣言できることが憲法に定められています。
「政治活動の禁止」や「報道統制」などの措置が取られ、「戒厳司令部」として軍が強力な権限を持ち、令状なしの逮捕も可能となるんです。
そもそも韓国で戒厳令が必要になる局面としては、北朝鮮との戦争が想定されているとみられます。

今回、尹大統領が戒厳令を正当化したのは「野党議員が北朝鮮とつながっていて、国家転覆の脅威から守る」という論法でした。
今回、戒厳令を巡る攻防の現場となったのが、韓国の国会議事堂です。

戒厳令は「国会で過半数の議員が要求したときには解除しなければならない」ことも憲法に定められていて、今回は、この規定に基づき、国会に集まった議員の議決によって戒厳令は葬り去られました。