渡された約90万円 奪い取ってきたものと知るも「脅されて返せなかった」

検察側によると、事件後、岡村被告は、和美被告が奪った通帳で引き出した約103万円のうち、少なくとも90万円を受け取っている。

「はい、90。借金の返済の一部」などと言われ現金の入った封筒を渡されたと話す。

岡村被告
 お金を返そうとしたら「うちの手元に来たお金をお前拒否るんか。殺し屋に連絡するぞ」といわれました。

検察官
 受け取った90万円は?
岡村被告
 私の娘と息子に40万円ずつ分けて、残りの10万円を私が貰いました

検察官
 長女は40万円を何に使いましたか?
岡村被告
 息子の車のために10万を息子に貸しました。
残りを駐車場の契約とコンテナの料金をため込んでいたので10万円使って。
山口に引っ越そうとしていたので、その交通費と生活費に使いました

検察官
 長男は40万円を何に使いましたか?
岡村被告
 車を買いました

検察官
 あなたは?
岡村被告
 生活費

検察官
 90万全部使った?
岡村被告
 使い切りました

検察官
 脅されてしたくもないことをさせられた?
岡村被告
 そうですね

検察官
 警察に相談は?
岡村被告
 警察に口を割ったことが分かってしまったら、北朝鮮の方が襲いに来ると思って言えなかった。警察、弁護士、裁判官、シムラの言いなりと聞いているので言えません

岡村被告の主張によると、岡村被告は、受け取りたくもない90万円を”脅されて”受け取り、すべて使い切った、ことになる。この点を、裁判官も質問した。

裁判官
 なぜ子供たちに渡した?
岡村被告
 ・・・

裁判官
 受け取りたくないので、返そうとして怒られていたお金をなぜ子供たちに?
岡村被告
 シムラは山口に引っ越そうとしている話や(息子が)車をローンで買おうとしている話を知っていたので、子供たちにこのお金を分けたらいいやんと

裁判官
 首を絞めて取ってきた金と理解して、受け取りたくないお金を子供に渡したのは?
岡村被告
 今となっては反省していますが、その時は判断できませんでした

岡村被告は、証人として息子や娘が法廷に入ってくると、大好きでたまらない様子で笑顔を見せた。手を振るなどし、横にいる刑務官から注意されることもあった。